2024年度に実施した豊平川と真駒内川に遡上するサケとサクラマスの産卵床調査の結果です。
《サケ》
産卵床数合計 457か所(2024年9月25日から2025年1月8日の間に計8回実施)
推定遡上数 914尾
ホッチャレ確認数 70尾
(内訳)※2025/3/1修正
野生魚(自然産卵由来)50%
放流魚(さけ科学館生)50%
迷入魚(他河川の放流) 0%
※豊平川の放流魚には、耳石温度標識が付けられています。
この調査は、国立研究開発法人水産研究・教育機構 水産資源研究所との共同研究で実施しています。
〈2024年の豊平川のサケの特徴〉
10月まではサケの遡上はとても少なく、11月以降に増えてきましたが、放流数の順応的管理で目標としている1000尾には達しませんでした。
豊平川だけでなく、同じ石狩川水系の千歳川の遡上数も少なかったため、海洋での生存の影響を受けたのではないかと考えます。
また、野生魚の割合が50%ととても低く(近年は70-80%)、迷入魚(ほかの河川の放流魚)は見られませんでした。内訳においても、例年と異なる傾向がありました。
一方で、真駒内川に設置された簡易魚道は機能し、さけ科学館のすぐ横で例年より多くのサケの産卵がみられました。
《サクラマス》
産卵床数合計 829か所
《2024年度の産卵床分布図》
赤色はサケの産卵床、青色はサクラマスの産卵床です。
【放流数の順応的管理の経過】
2016年から放流数を減らし、遡上数の平均が1000尾を下回ったときに放流数を戻す順応的管理を行っています。
放流数を減らしたサケは2019年以降に回帰していますが、現在のところ、5年平均の遡上数は1000尾を下回っていません。(SWSPニューズレター第14号.pdf)。
今後、野生魚割合をさらに高めるためには、放流数のさらなる削減と、豊平川の環境改善が必要だと考えています。
モニタリング調査を継続し、豊平川のサケのあり方を模索していきます。
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