札幌市豊平川さけ科学館は、市民によるカムバックサーモン運動がきっかけとなり、豊平川のサケの遡上を継続させることを通して、生物や自然環境について普及啓発し、札幌の自然の豊かな環境の保全に寄与することを目的に、1984年10月6日に開館し、40年を迎えました。
開館以来、サケや水辺の生物の調査研究を続け、普及啓発することを通して、札幌の生物多様性を守り続けています。
さけ科学館の主な役割
1.豊平川のサケの調査と保全活動
- 研究機関の協力を得て豊平川のサケ調査(遡上数、産卵床数、産卵環境、降下稚魚)を継続し、科学的知見に基づいたサケの保全活動(札幌ワイルドサーモンプロジェクト)と普及啓発を行っています
- 持続可能なサケの回帰を実現するため、放流数の削減と野生魚割合の増加を進めています
- カムバックサーモン運動の歴史を次代に受け継ぐとともに、未来の豊平川のサケのために、野生動物としてのサケと人間との共存に向けた合意形成を進めています
動画 豊平川のサケと産卵床調査(2分46秒)
2.札幌の水辺環境のモニタリング調査と生物多様性保全への貢献
- 水生生物の調査を継続するほか、他の機関と連携して特定外来生物や希少生物の調査を行い、館報や研究報告等で公開しています
- 行政機関(環境省、北海道開発局、空知振興局、札幌市下水道河川局・水道局・環境局など)からの依頼等に対応して、環境保全の観点からの適切な助言を行っています
- 水辺の環境保全に関心がある企業・団体に協力し、地域社会における生物多様性保全の取組をサポートしています
3.学校教育や市民への環境学習の提供
- 小学校から大学まで、通常の学校教育にはないサケ学習や河川環境学習プログラムを提供し、次世代を担う子ども達が札幌の生物多様性への理解を深める手助けをしています
- サケ観察会、採卵実習、魚類採取などを通し、市民がサケや川の生き物に触れ、自然への理解を深める機会を提供しています
4.札幌の身近な自然の普及啓発
- 都市の生態系は人為的影響を受けやすく、簡単に喪失するリスクを抱えているため、価値の向上と市民への啓発に努めています
- 身近な水辺に生息するサケ科魚類や淡水魚、両生爬虫類を飼育し、生き物への関心と理解を深める展示をおこなっています
- ホームページやSNSを用いて、サケや水辺の生き物の新鮮な情報を発信しています
開館40年記念「みんなのさけ科学館」
日ごろから関わりのある団体や学校、行政、企業、動物園・水族館、研究機関などから、さけ科学館と行っている活動についてや、さけ科学館の価値、今後どのようにあってほしいかなど、紹介していただきました。(動画 30分)
メッセージをお寄せいただいたみなさま(敬称略)
※リンクをクリックするとその箇所から動画を見ることができます
- 札幌ワイルドサーモンプロジェクト 森田健太郎
- 札幌市立北光小学校 河嶋一貴
- 自然ウォッチングセンター 島田明英
- 道興建設株式会社 伊藤善和
- 漫画家 かじさやか
- 北海道大学 小泉逸郎
- 札幌市下水道河川局河川事業課 内藤綾乃
- カッコウの里を語る会 小林保則
- サケのふるさと千歳水族館 菊池基弘
- 佐藤水産株式会社 谷脇哲哉
- にしおか魚組 中林晃,瀧本美和子
- ライオン株式会社 竹内順
- 北海道大学 根岸淳二郎
- 札幌光星中学校 橋本真亜沙,山田栞織,淀谷柚月
- 札幌市円山動物園 寺島寛樹
- 両爬の生態系をかんガエル・札幌市南区チーム 徳田龍弘
- 株式会社サンセリテ札幌 矢内穂高
- 真駒内川水辺の楽校 沼田寛
- 北海道大学 荒木仁志
- 札幌市環境局(ウチダザリガニ防除チーム) 北村覚
- 精進川美化緑化の会 後藤厚
- 標津サーモン科学館 市村政樹
- 北海道電力株式会社 福田聖那
- 株式会社ジオ 小川浩一郎
- 札幌市立東白石小学校5年生
- 株式会社丸亀 若月裕之
- 国立研究開発法人水産研究・教育機構水産資源研究所 水本寛基
さけ科学館は、これからも皆様と共に、札幌の自然環境や生物多様性を守る役割を担っていきたいと思います。