< 豊平川のサケ標識放流調査 > 

標識魚(親ザケ)の割合 2008年度の調査結果
標識魚の比率
※ 年齢の確認できなかった未標識魚1尾を除外した比率で示しています.
年齢別確認数
※ 2008年度は、満2〜4歳のサケが標識調査の対象となりました。
標識魚の比率
※ 未標識魚には、千歳川産も含まれています(2008年からの調査で確認).

  さけ科学館では、2004年春以降、豊平川に放流するサケ稚魚すべてに標識(ひょうしき、しるしを付けること)を実施しています。 (水産総合研究センターさけますセンターとの共同研究)
 2006年秋からは、帰ってきた親ザケの調査も始まりました。

  なぜ、こんな調査をしているの? 
 豊平川には毎年、約2,000尾のサケが遡上し、自然産卵しています。卵は豊平川の川底で元気に育っていることが、これまでの調査で分かっています。

  また、さけ科学館では毎年、サケの採卵受精をして、育てた稚魚を豊平川に放流しています。卵をとるための親ザケは、豊平川で産卵前につかまえるのが難しいため、千歳川に遡上したサケを毎週運んできています。

  今回の調査は、 豊平川に遡上するサケのうち、自然産卵から生まれたものと、さけ科学館で放流したものとの割合を調べるのが目的です。

 調査方法はどうやるの? 
  調査は、サケ稚魚の標識作業と、親ザケの標識確認調査の2段階に分かれます。
 
1. サケ稚魚の標識作業(2004〜2007年春)
  さけ科学館で育てたサケの稚魚はすべて、豊平川に放流する前に麻酔を掛け、あぶらびれ(背びれのうしろにある小さいひれ)を切り取ります。
ヒレカット
 ※ あぶらびれは、一度切ると、はえてきません。
 ※ あぶらびれがなくても、サケが生きていくのに大きな問題にはならない、
  と言われています。
 ↓ 標識作業の風景へ(このページの下の方)

2.親ザケの標識確認調査(2006〜2011年秋)
 標識放流したサケがたくさん帰って来る年に、親ザケの数、標識の有無、年齢、性別、体長などを調べます。
 生きているサケをたくさんつかまえるのはとても大変なので、川の中を歩いて、落ちているサケの死体(ホッチャレ)を拾って調べています。
 あぶらびれがなければ標識魚(放流魚)、あぶらびれが付いていれば標識をしていない魚(自然産卵から育った)という区別ができます。
ホッチャレ
調査対象となる、産卵後のサケの死体(ホッチャレ)
かなり腐敗が進んでいるものも多いです
  
調査の経過と今後の予定
調査スケジュール
 
 2006年度は満2歳、2007年度は満2〜3歳が標識調査の対象でしたが、2008・2009年秋は満2〜4歳が対象となるので、見つかる標識魚の数は一番多いと予想されていました。しかし2008年秋はサケ不漁のため、少ない結果となりました。
 ↓ 2006年秋の標識魚の初確認の様子(このページの下の方)

 調査結果が出たら、どうするの? 
 調査結果が出始めるのは2006年度からですが、きちんとした結果を出すためには、2011年まで調査を続ける必要があります。

  調査結果(途中経過)は、その都度市民のみなさんにお知らせしていきます。みなさんが豊平川のサケについて考えるきっかけになればと思います。

 「もし、自然産卵から育ったサケがとても少なかったら・・・」
 「もし、放流したサケよりも自然産卵のサケの方がずっと多かったら・・・」

  豊平川のサケの将来を、みんなで一緒に考えましょう!

2006〜2008年度の調査結果から、豊平川に遡上したサケ
(放流魚と自然産卵魚)の回帰率などを計算してみました。
まだデータがすべて揃っていないため、参考資料としてごらんください。

< 標識(ひれ切り)作業 > 

標識作業の風景(さけ科学館・3〜4 月)
 
池からすくったサケの稚魚に、麻酔を掛けます。
 
ハサミであぶらびれ(背びれのうしろにある小さなひれ)を切り取ります。
麻酔から覚めたあと、豊平川へ放流します。
 


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札幌市豊平川さけ科学館